囲炉裏端

「部屋中の煤の動きや囲炉裏炊く」(皿井旭川)。

これまで何度か訪れている家なのに、囲炉裏があることも知っているのに、火が入って湯が沸き、ましてや岩魚焼く光景が見られるなど想像もしなかったけれど、妙に懐かしさを覚えたのは何なのか?

何年か前、都会育ちで都会に暮らす友人を、棚田に案内した時、「なんだか懐かしい」と言ったことを思い出す。原風景が呼び起こすDNAなのか。囲炉裏端の心地よさに浸った、贅沢な取材だった。