中学を卒業するころか、同級生の男女十数人で、今で言うハイキングで訪ねた山間の湖(いけ)。ボートの漕ぎ方を覚えたのもこの湖。それから何度となく、仕事を含めて訪れている湖だが、冬は知らず、季節感豊かな容色に魅了されている。景観に優劣をつけることなどおこがましいが、早春の柔らかな緑織りなすころを楽しみにしている。
この地の山河池沼は全て暮らしの中にある。時に凶暴さを剥き出しにして、畏敬の念を諭す。山の湖は既に夏の装い。