「そばの花山傾けて白かりき」(山口青邨)。二十四節季の「白露」が過ぎた。厳しい残暑は大型台風さえ知らぬげに、居座り続ける。一時は長袖のワイシャツを引っ張り出したのに、多くは着ないまま隅っこに。
半日がかりでそば畑を探し歩いた。最近は里の畑にも白い花の海が広がっているけれど、そばの花は山の畑が似合う。ただ、かつての一面のそば畑は探し得なかった。が、ふと車を止めた先にか弱い様の蝶がいた。花蜜を吸っているのだろう姿に見入っていた。