「新藁の香好もしく猫育つ」(飯田蛇笏)。四季折々に表情を変える田んぼは絵にも写真にも、音楽にもなる。稲刈りをほぼ終えて、北信濃路の田んぼは今、鮮やかなモザイク模様。猛暑に苛まれた今夏。作況指数は「やや不良」とも報じられたが、実際はどうだったのか。
隣村での取材にいつも通る田んぼ中の道。「農魂不滅」の碑がある。暑い夏も冷夏も水入りの年もそこにあった。実りを落とした藁に、達成感を感じてしばし見入った。