子どものころの戯れ歌で「屋根より低い鯉のぼり」なんて歌っていたが、都会では既に鯉のぼりなど見られず、地方でも中・高層の建物が増え、鯉のぼりの威容を不鮮明にしている。
が、皐月の薫風に泳ぐ姿は勇壮で自由で、活気に満ちている。高社山を背景に、子どもたちが遊ぶ広場に泳ぐ鯉たち。風が強かった日で、数匹は背泳のまま。どんな状況にも柔軟に立ち向かって懸命に泳ぐ姿があった。「高空に青き山あり吹き流し」(相馬遷子)。