「紫陽花の末一色となりにけり」と、小林一茶さんは詠んだ。暮らしの匂いがふんぷんとして、軽妙洒脱な一茶さんの句としては、垢抜けしている―なんて言えば、お叱りを受ける。
別名「七変化」ともいうらしい。初め白が勝っているが、次第に薄青色となり、後に淡紅色に変わる。その花の名所となっていた古刹に加えて、近年各所に植栽が進む。そして、それぞれに花自慢を聞く。
取材の途次立ち寄った紫陽花寺。花の競演の序章を見た。夏至が過ぎた。