柿食ふや

「里ふりて柿の木もたぬ家もなし」(松尾芭蕉)。「柿食ふや命あまさず生きよの語」(石田波郷)。暮らしの中に生き続け、時として命を育んできた。

候は「霜降」。ことしは「成り年」なのか、里野は今、色彩を鮮やかにする。「柿は枝折れしやすいから、気いつけろ」。はしごを支えるじいちゃが、木に登るあんちゃに声をかける。お地蔵様の脇の柿の木も熟し始めた。いつの間にかマスクを外した地蔵様。オレ見てねえから、1個食わっしや。しびいかもしんねど。