ひやゝかに

「ひやゝかに大樹のなかに鳴く雀」(赤城さかえ)。ことしの秋は台風が連れてきた。いつもの年より相当早くにである。が、二十四節季では既に寒露の候。

安普請の陋屋は暑気にも寒気にも弱く、早々とエアコンの暖房に暖を取る。山々の紅葉には少し早いが、里野では既に田終いの様相を濃くする。ことしもまた田畑にえらく世話になった。過不足はあってもいつものような実りをいただいた。滋味深い大地の産物は、農に生きる人たちの厳しい営みの成果。ごちそう様です。