夏景色

「陽が恋し吹かれ集るあめんぼう」(沢木欣一)。子どものころから「〇〇熱心」なんて言われたことはない。何をやっても中途半端ですぐに投げ出すええからかげんさ。

が、まだ車など通っていなかった堤防の水溜りに、慌ただしく動き回るアメンボウを見て、水面ギリギリに顔を寄せしばし見入った。当時表面張力なんて知らず、「スゲエ」と思っただけ。

猛暑が続いたある日、信号で停まった車から、ミンミン蝉の声を聞いた。夏にも風情があると実感した。