「雪国のありとも見えず松飾」(長谷川かな女)。年の初め早々の大震災で、「おめでとう」などというのは気が引けるが、人の世の喜怒哀楽とは関係なく、時はめぐる。冷徹といえばそうだが、それ故に畏敬の念を抱かせるのかもしれない。が、とにかく、辛い年明けだった。未だに倒壊した家屋に閉じ込められている人のいることを思えば、新しき年に浮かれることなど出来ない。
いつもの正月のいつもの門松。「いつもの」のありがたさが身に染みる。