「春探し」にあえて逆らって、まだ丈余の雪が残る地を訪ねた。「まだ、えっぺあるんかや?」と、この地でも雪深い集落に住む友人に電話したら、「そんねでもね。1㍍3、40㌢ぐれかな」と、こともなげに言う。「ことしは少ねくて、楽させてもらった。雪えっぺほしい衆にもうしゃげねえけどな」。友人と立ち話した帰路、根開けを見つけた。里山は日ごと地肌を広げる。雪崩の跡は見えないけれど、融雪災害の時でもある。気を緩めずに春の息吹を楽しみたい。