「干し大根ひる見夕見て暮れにけり」(八木林之助)。心ひそかに待ち望んだ「だいこすだれ」ができた。町なかの八百屋さんの、南に向いた壁。土蔵造りと見える、鉄扉のついた壁に毎年描かれる初冬の風物詩。
かつて高校に通った道では季節感豊かな風物詩があった。商店の前のコスキ、冬物商品の看板、お菜洗い。慌ただしくも生活感あふれるガゲ通りが好きだった。高校時代だったか、中町通りの雪山の道から千曲川が見えた。「雪の降る町を思い出だけが通り過ぎて…」。