緑陰

「緑陰にして水辺なり憩ふべし」(松尾いはほ)。今ごろ咲く種なのか、咲き残りなのか、湖畔を彩る桜。視線を転じれば今が盛りの菜の花が湖畔に敷かれている。そして、その向こう。芽吹きが異なって濃淡が判然とする木々が、湖面に影を映す。

取材の間の、本当にわずかな時に、緑陰は消え去った。今の季節、朝と夕では緑の色が微妙に変わる。新緑燃える時。湖は波立てずその様を映してくれる。来月初めは八十八夜。晩春から初夏へ季節は移ろう。