「基準見直し」は難しい
岳北地域高校の魅力づくり研究協議会「生徒募集につながる取り組みを」
県教育委員会の、県内高校再編・整備計画案に対して、最終的には下高井農林高校の、農業高校としての存続を望み、飯山高校と岳北地域2高校の在り方を考える「岳北地域高校の魅力づくり研究協議会」の足立正則会長(飯山市長)らは先月30日、県教委に内堀繁利教育長を訪ね、これまで訴え続けてきた高校の再編基準の見直しなど求める要望書を手渡した。
同日の「岳北地域における魅力ある高校教育に向けて」の要望は、足立飯山市長、日台正博木島平村長、伊東博幸飯山商工会議所会頭、飯山市・木島平村教育長らが参加。県教委は内堀教育長らが対応した。
同協議会ではこれまで、岳北地域2校が該当する「中山間地存立校」について、在籍生徒数が120人以下、もしくは160人以下かつ卒業生の半数以上が当該高校へ入学している中学校の無い状態が2年間連続した場合、分校化や統合など再編対象とする、県教委の再編・整備計画案の見直しを要望してきた。
同日、足立会長は「基準は実状に合っていない。現実として岳北地域の中学校で、下高井農林高校に50%以上通っているのは栄中学校だけ。栄中の8人の卒業生のうち4人が農林校に入学したが、このうち1人が他の高校に入学した場合、再編対象になってしまう。そういうことで高校再編の判断をしていいのか」と話し、下高井農林高について「岳北地域の農業を担う人材を育てるという、非常に重要な役割がある」と、訴えた。
同日の要望ではこのほか、飯山高校への外部からの講師派遣、下高井農林高校でのAIやドローンを使った農業・林業教育推進、社会人教育の場としての高校施設活用、飯山高校でのカヌー教育環境整備―などが要望された。
同日の足立会長らの要望に対して、県教委の内堀教育長は5月24日の教育委員会定例会で、再編・整備計画の3次案が決定された―とし、「基準の見直しは難しい」と答えた。また、下高井農林高校について「基準に該当した状況ではないので、魅力化を進め、生徒募集につながる取り組みを継続することが大事」と話した。