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1月21日号掲載記事
 
◆「ヨソの庭先」をいつまで - 「秋山孤立」で再浮上する広域林道栄線<栄村>
 新潟県津南町の国道405号線が、雪崩の危険があるとして通行止めとなり、栄村秋山地区が先週初めから4日間孤立状態となったことから、現在、中止状態にある広域基幹林道栄線の重要性がクローズアップされている。

 栄線は秋山地区と村中心部を県内ルートで直接結ぶ、長い間村民の悲願とされてきた「通年道路」。計画では極野と矢櫃登渡(やびつのとど)を結ぶ延長4・951`の広域基幹林道として平成5年に着工され、これまでに秋山の屋敷地区近くから五宝木トンネル、取り付け道などを含め、一部区間が完成している。

 が、国の公共事業の見直し、県の公共事業縮減・一部凍結方針を受けて、平成13年以来工事は中止されたままになっている。同年11月、移動知事室で栄村を訪れた田中知事は、同林道・国道405号線を視察した折、林道への県の対応を問われて「国道改良に応分の負担ができないか」と答え、405号線の改良を検討することを示唆している。

 ただ、国道405号線は清水川原を中心に、雪崩常襲地であり、冬期間は通行止めも慣例化。特に今冬の豪雪では、雪崩の危険がある―として、一時解除をはさんで1週間近く通行止めとなり、越後秋山を含めて秋山地区が孤立する事態となった。

 同地区の孤立は、56豪雪以来25年ぶりで、除雪機器・暖房用の燃料が底を尽きかけ、ヘリコプターなどによる燃料・食料品、医療など救援が行われた。

 こうした事態に同村の高橋彦芳村長は「マスコミの過度の報道で、村全体が孤立しているように思われており、スキー場・宿泊施設などのキャンセルが相次いでいる。秋山への道もいつまでもよその世話になりたくない」と語る。

 同村長によると、栄線は秋山屋敷の集落内、橋梁などは県による豪雪代行で対応されるが、トンネルを含めた極野までの約2・2`は関連事業費を含めて100億円はかかるとされ、県負担もあることから、県の対応が不可欠。

 財政再建をうたい、公共事業の大幅な削減と取り組む県政の実状から、県は「林道でない形で」とする。同村長は「当初計画とは違うルートを探る必要があるかもしれない」と、栄線の極野までの早期完成を訴える。

 今回の記録的な豪雪で、秋山地区と村中心部を県内ルートで直結する、中止されたままの林道栄線の必要性が改めて認識されたわけだが、国や県が村民悲願をどう受け止め、対応策を講じるか、注目される。

(写真=雪に覆われる秋山地区。栄線の1日も早い完成が…)
 
雪下ろし中・落下雪の犠牲多く - 雪による事故死者は5人に<岳北>
 14日午前8時50分ごろ、飯山市外様顔戸の民宿で、土蔵の屋根の雪下ろしをしていた、同市瑞穂の工務店経営者、会社員の二人が屋根雪とともに落下、生き埋め状態から救出されたものの、経営者は病院で死亡した。

 同日はまた、午後7時過ぎ、栄村志久見で、76歳のお年寄りが雪に埋もれているところを発見されたが、既に死亡していた。同日の2件の死亡事故で、今冬の雪による死者は5人となり、ここ数年では最多の、深刻な状況となっている。

 岳北消防本部・飯山警察署などの調べでは、昨年12月11日からことし1月13日までの34日間に管内4市村で合わせて33人が救急搬送された。死亡事故を含めた、雪による事故の原因は、ハシゴの昇降中を含めた屋根の雪下ろし中の転倒・転落が16件で最多。次いで屋根雪の落下による生き埋め・負傷、除雪機械によるケガが各8件、除雪作業中のケガが1件となっている。

 14日の雨、その後の好天で、ここにきて、屋根などからの落雪による事故が急増しており、関係機関では今後再びの連続降雪の可能性も視野に、除雪作業や落雪、さらに雪崩などにも十分な注意をするよう呼びかけている。
 
春を呼ぶシクラメン - 下高井農林高<木島平村>
 観測史上最大の豪雪に見舞われ、大地も家も全て「白魔」に覆われる中、下高井農林高校の温室で今、シクラメンなどが色とりどりの花を咲かせ、販売を通して連日の除雪で疲労の色を濃くする住民を励ましている。

 同校の温室では今、シクラメンや、生徒たちが育てる寄せ植え、村内の保育園が卒園式用に―と注文したプリムラのほか、シネラリアやパンジーなどが育てられている。

 今冬の豪雪で学校の周囲は分厚い雪に覆われ、施設も雪の重みに耐えかねている中で、雪山を背景に色とりどりの花を咲かせる温室は、ひと足早い春を思わせる。温室のシクラメンは、村内などの販売施設に置かれ、雪疲れにあえぐ住民を励ましている。

(写真=分厚い雪に囲まれた温室に作咲くシクラメン)
 
◆「開催」は苦渋の選択 - 灯篭まつり・和紙の仕事反省会で次回企画も<飯山市>
 「飯山雪まつり市民協議会・実行委員会」合同会議は18日、飯山商工会議所で開き、これまでの準備状況を踏まえて、2月11・12の両日開催予定の「いいやま雪まつり」について、予定通り開催することを確認した。

 合同会議では、豪雪にあえぐ住民の声を踏まえて、雪像造りへの不参加表明や、雪まつりそのものの開催を疑問視する声も聞かれた。出席者それぞれが、豪雪下の住民生活の苦衷と、雪まつりのもつ意義・地域活性化の必要性との板ばさみとなっている実態の中で、「がんばろう!飯山!」「頑張っているぜ!飯山」とする、実行委員会の決意を受け止め、苦渋の選択の結果としての開催を決めた。

 田中史朗実行委員長は、「今後の天候を見ながら、場合によっては基本的なことを含めて、再検討する用意はある。除雪などに協力いただいたボランティアの皆さんにも『がんばってます』とお礼できるよう、取り組みたい」と話した。今後の天候を見ながら、会場や規模などを含めて、住民感情を踏まえ、理解が得られるよう配慮することにしている。
◆お互いに - 北信濃風物詩<連載>
 この冬の大変な雪の中、オメさんたちもえれえだねかい? 

オラたちだって、同じだで。

いつかは必ずくる春ださけ、それまで頑張るっきゃねえで。

 豪雪禍に苦しむ山間地集落の、通行止めの措置が一時解除された日、孤立集落に向かう車列を、1頭のカモシカが出迎えた。

林の中にたたずむ彼の姿に、目頭が熱くなったという人。お互い、元気で!
  
◆命あるなら来年も… - 野沢温泉道祖神まつり<野沢温泉村>
 「ショーンション オッショションノ ショーン ション」「命あるなら来年も…」。独特の手締めと歌が火の攻防が展開される会場に流れ、鮮やかな灯篭が揺れる。国の重要無形民俗文化財で、江戸時代から伝承される野沢温泉村の道祖神まつりは15日、役場上段の道祖神場で行われた。

 同村の小正月行事で、ブナの神木を支柱に組み立てられた高さ約7bの社殿をめぐる勇壮な火の攻防と、前の年に男児に恵まれた家が奉納する灯篭の華麗さで知られる。祭りの主役は42歳と、25歳の厄年の男衆。

 25年ぶりともいわれる豪雪、季節外れの雨と、異常気象の中で行われた前日の社殿の組み立ては、翌未明まで長引き、本厄の男衆らはずぶぬれの体を震わせながらも、達成感に浸っていた。

 社殿上に陣取る42歳の男衆が投げ下ろす「おがら(麻穀)」に火元から火を取り、社殿に火を付けようとするする村民らと、これを防ごうとする25歳の厄男の攻防、社殿に陣取り、道祖神唄などでこれをはやす42歳の男衆。社殿を囲むように3本の鮮やかな灯篭が揺れる。

 会場を埋めた約5000人の観客が見つめる中、約1時間近い攻防の後に社殿の男衆が手締めの後降り去ると、社殿に火が入り、一気に燃え上がる。灯篭が寄せられ、炎に同化する。そして、社殿が崩れ落ちる。炎の柱と観衆のひと際大きな拍手、喚声が会場を包んだ。

(写真=灯ろうを浮き上がらせて燃え上がる道祖神社殿)
  
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